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「弟以上、恋人未満。」    Written by; Tamaco Akitsushima

                    4 累の気持ち。

「る、累………っ?───…アっ、やッ、やんっ、」
「ダメだよ、静かにしとかなきゃ」
見た?見られてた… ?! だけど…っ!だとしたら 誤解だよ… ?! あたしもかなり罪悪感
感じてた…ッ、累が居るのに、自分の意思じゃなかったとは言え、油断してたせいで あん
な風に…っ、冗談とは言え、カイジに…っ。
「キャッ!…や、やだ 累ッ、」
いきなり スカートではなく、その下に着けていた下着だけを取り去られた。
「や、じゃないよな」
何 その言い方…ッ!偉そう…ッ!ムカつく…っ !!
だけど…っ、ダメ、身体に力入れて 抵抗しようとしてるんだけど…っ、裏腹なくらい簡単に
力を手放していく みぞおち。
累の舌先は、あたしの胸を弄ぶように さっきから舐めている。
「だめぇ、…ねェ、やめようよ…っ、やめてよ…ッ、ねェったら…っ、」
「───…でも、ここは 『して』 って」
「何それ…っ!エロい事ばっか 言わないでよ…ッ!」
「エロいのは お前の身体じゃないの」
「 ! 」
───…酷いっ…、思わず泣きたくなる。
だってそれは 事実そうで、ホントはあたしの肌、いつも彼にされるより、今 こんな格好させ
られて、目隠しまでさせられているほうが ずっとビンビンに感じてる…。
「…なぁ?───…そうだろ…?」
また 忍び笑いを堪えるみたいなニュアンス。
怖いよ…、累っ…、何 考えてるの…?
めくれあがってしまっているスカートを 何とか引き降ろそうと膝を動かしていると、皮肉なほど
ますます生地は 腰のほうに溜まった。
「─────…すっごく可愛い、瑞香」
「………やだ………、もうこんなの やめてよ…、やめようよ…、アっ…!やんッ!…ンっ、
───…ッア、」
「いい声…」
「や、め…ッ、お願…いっ、ァ、…ア、」
「…すっごくいい声、…ホントは感じてるだろ…?こことか いいの…?」
「バカ…ぁっ、ヤ、やだ もう…っ、」
さっきから 上半身にしか触れられていないのに、下肢の付け根は もうどうしようもない
ほど、ドクドクと脈打ち始めていた。…身体の芯が熱い、どうしようもなく。
頭の中を 何か細かいものが無数に這い回り始めるような 苛立ち。焦りにも近い疼き。
…判っていて、彼はまだ ジラしてくる。
「─────…なぁ、ちゃんと教えて…、ホントの事…」
「な、に…を、」
かすれ始める、あたしの声。喉は カラカラに渇いている。
「………オレが好き…?」
甘えるような語尾。
「…好きだよ…ッ、…だ、だけど…っ、こんなっ、事…する、累は、ヤだ…ッ、」
「ふぅん………」
何よ、その 「ふぅん」 って… !!
「ホント…?ホントに嫌…?」
「決まってる…ッ、でしょっ、」
「─────…ここは 嫌って言ってないけど」
何度も胸の先端を 唇で嬲られた。…時折噛まれて、肩が大きく跳ねた。…確かにいつも
以上に、あたしの身体は過敏になってる。…また舌で舐められる。ゾクゾク電流みたいな
細い痺れは走り抜ける。…下肢の熔鉱炉は勢いを強め、奥から出口を求めてドクドクと
溢れ出す。
「外してよ…っ、この…手首…ッ、」
「瑞香が素直になったらね」
「何それ…ッ!偉そう…っ!…ッア!…ッあン、」
「声 出しすぎ」
両手で胸を揉みしだかれながら、唇を 彼のそれに塞がれた。…入ってくる彼の舌。すっごく
悔しいから 自分の舌で押しやろうとしたら、逆に絡め取られ、強く吸われた。…それだけで
舌の根元が痺れて、危うく 達してしまいそうになった。
意識がどこか後ろへ 強く引っ張られる。───…それを何とか 自分の意思で取り戻す。
「───…ン、…ンン…、っ…」
ギュッと硬く目をつぶり、快感に耐えた。…全力を振り絞って 耐えなければいられないほど
の、とんでもない快感の渦だった。それがどんどん あたしの体内で膨れ上がり、渦は速度と
勢いを増し…まるで台風みたいに あたしに襲いかかろうと待ち受けている。
それを今すぐどうにかしてくれるのは 彼しか居ない。その事実も…何度かの 彼とのセックス
で あたしの全細胞はすでに知っているから、余計に悔しい…っ。
キスの間にも、彼の指先は あたしの硬く立ち上がっている乳首を刺激してくる。…けれど
未だに 決して下肢には触れない。わき腹を 下から上に撫で上げた手のひらは、片方の
胸を持ち上げるようにして揉み、上方の感じるところとか、鎖骨の辺りも 羽根のようなタッ
チで触れてくる。
もどかしすぎる そのやり方に、あたしはますます 脚をモジモジと動かさずにはいられない。
「あッ !!」
いきなり、彼の片手が あたしの足を大きく開いた。
「─────…ッ…、」
やだ、見ないでよ…っ!お願い…!
今度こそ、涙が滲みそうになる。
無言の彼が 恐ろしい。─────今 どこ見てるの…っ、どんなカオしてるの…っ ?!
「───…なぁ お前、………ホントにオレの事 好きか…?」
「……………えッ…、」
予想に反した、彼の問い。…予想に反した、驚くほど頼りない声。
「───…なんでそんな事 訊くのォ…っ」
あたしの声は、半ばくぐもっていた。涙声みたいに。
「─────…なんでそんな事 訊くかなんて、分かってるクセに」
「………ッ、」
やっぱりだ…!きっと見られてた、今日の夕方の…っ、駅前スクランブル交差点…っ。
だけど咄嗟に あたしは唇を噛んだ。
何よ…ッ!だからって 何であたし一人がこんな目に遭うわけ…?!
だってあたし、やっぱ すっごく申し訳なく思ってたよっ、あの後…!累の顔 見れないくらい
…!
だけど…っ。何よ、累に こんな風にする権利あるの…?! だったら累だって…っ、あのマネー
ジャーは…?! あの子との関係、ハッキリ教えてよ…!あたし、もしかして二股…?!
そうなの…?!
「累だって あたし以外と仲いいじゃん…ッ!」
あたしの この受け答えは、彼を酷く傷つけるには 十分だった。
だけどあたしは そこまでの事、気遣う余裕なんて全くなかった。
あたし、きっと心のどこかで 勝手に決めていた、累は傷付かないって。累はいつだって
あたしよりずっと大人で、何でもお見通しで、こんな風にあたしの事 簡単に意のままに
操作して…っ。あたしが翻弄されるのを楽しんでる…っ。彼はいつも勝者だ、って。
だから 敗者のあたしが彼に 少しくらい傷付く言葉を投げつけたって、彼は平気なんで
しょ、って。
「───…あっ…あたしに偉そうな事 言えないって…!てか そんな事 言われる筋合い
ないッ!」
「─────…あいつ 何者だよ」
「………っ、」
実際、そう 『あいつ』 と付けて 問いただされて、あたしの心臓は ギクリと凍った。
やっぱり見られてた…!
そう思っただけで、なんとも言えない 気分の悪さが込み上げた。自分が すっごく情けなくっ
て だらしない女だ、って言われた気がして…。
「………元カレ」
あたしは嘘をついた。
累の動きが 完全に止まる。息を飲んだのも判った。
「─────………。」
あ、すっごく考え込んでる…。
目隠しされているのに、あたしの視界が 尚一層 暗くなった。
すぐ間近で、声は落ちてくる。
「…あいつとも した………?」
「─────…え…?」
緊張にこわばったような、累の 不快さを抑制した声。
「…じゃあ………あいつとも…こんな事した…?」
彼の声に、もうさっきみたいな 笑いを低く押し殺すニュアンスなど 微塵も混じっていない。
「………ッ、な、何よ…っ、だったら何 ?!」
いきなり 噛み付くようなキスをされる。
こんなの累じゃない、って思うほど、それは強引で、服従させるような キス。
抵抗は 瞬く間に封じ込められる。…だけどあたしも、さっきみたいな 迷いの混じった抵抗
じゃなく、今度は本気で 力の限り抵抗し続けた。
「…ン、やッ!」
けれど累の手も、さっき以上に あたしを翻弄し、懐柔してくる。
彼のどこに こんな男っぽさが眠っていたんだろう、と思わせられるような 激情のほとばしる
腕。今度こそ 容赦なく押さえつけられ、痛いと抗議しても離してもらえず、あたしは される
ままになるしかなかった。
「ヤだ、もうヤ…っ !! 離してっ、こんなのヤだ… !! …ア、…あっ、…ア、…ァ、」
だけどさっき以上に あたしの中心は悦んでいた。それがまた、あたしを負けたような気分に
させ、悔しさの波に飲まれそうになりながら こめかみや目頭が熱くなるのを抑えられなかっ
た。
今、どんなカオしてるの ?! 累…っ。
ねぇ、今 どんな想いで こんな事してくるの…?!
彼は尚も、あたしのそこには触れなかった。
けれどもう、溢れ出した 燃えるように熱い体液は、その入り口から漏れ出し、肌を伝って
彼のベッドのシーツまで 汚してしまっている。
それを考えただけで いたたまれないほどの情けなさや 羞恥が襲い来る。
「─────…瑞香、ホントは何考えてる…?」
「…な、何って…ッ、」
「───…お前、オレでなくても いいのかよ…?!」
「そんな…っ、そんな事 あるわけない…ッ!…ア、…あァ…んっ…、」
「誰でもいいのか?」
「…まさ…か…っ、」
「じゃあ 何で ………っ、」
あたしは何度も 首を横に振った。全てを否定したかった。
今、起こっている事も。彼の隣りで笑っていた、あたしより可愛い女の子の笑顔も。…久し
ぶりに会って、すごく男っぽく 魅力的になっていたカイジの事も。…不安も、累と こうなって
から あたしの中で余計に巣食い出している 嫉妬の念も…!
「お願い、もう…ッ、───…ア、アァ、」
あまりにも長い時間 焦らされ続けて、あたしの脳はもう おかしくなりそうだった。
肌は痙攣しているみたいに 時折小刻みに震えるし、下肢は自分の身体じゃないみたい
に暴走し始めていて、もしも両手の自由が利いたなら、耐え切れず 自らそこを解放して
いたかも知れない。それくらい、もう今すぐに どうにかしてくれないと、ザワめきが脳を支配
しながら加速していて、しかも渦を巻きながら すごいスピードを持って どんどん増殖して
いて…!
「る、累…っ、」
何度も かぶりを振りながら、あたしはもう、口を滑らせてしまいそうだった。
「アッ…、や…あ、あ、…ッア…ん…ッ、」
してよ、早くしてよ…!
お願いだから 解放してよ…ッ !!
もうダメ、もうダメぇ…っ、助けて、どうにかして… !!
「─────…オレがいい…?瑞香…」
ソフトな声は、耳元でたたみかけてくる。心の中を 全て見透かしたように。
そうされるから、あたしはまた、悔しさに 唇を噛まなければならない。
「───…ッ…、」
言いたい、もう降伏して 楽になってしまいたい。
だけど ダメ…!そんな事したら、あたしはもう 累の虜だ。
これから先も 彼の意のまま、心を彼に明け渡して、…あたしはもう、彼と対等でいられ
ない…!
「………なぁ、オレがいいんだろ…?…どっち…?」
「─────………ッ…、」
あたしは必死に かぶりを振り続ける。
「………めちゃくちゃ感じてるクセに…」
ソフトに脳を端から溶かし、崩し始める 彼の甘い声。
「…ずっと このまま…」
「ヤだ…ッ、」
思わず 短く 否定してしまった。
彼はまた 忍び笑う。
「───…やなんだ………?」
「ち、がう…っ、」
「ねぇ、どっち…?」
「う、───…ンっ…、」
また耳たぶを甘噛みされる。そうしながら呟いてくる 彼の唇。
片方の指先は 今も 脇腹やみぞおちを撫で、時折 気まぐれに乳首を掠める。
もう片方の彼の手は あたしの膝立てられた脚を開かせる。
「───…ッ…、ァ…ア、」
声は わななくように震えてしまった。
だって、彼の右手のひらが、太腿の内側を 何度もゆっくりと行き来するから。
そっと触れてくる指は、絹に触れるように そこを滑り、けれど決して それ以上の事はして
こない。あまりにもじれったくて、知らず 腰を揺らめかせてしまう。それを累に見られている
事なんて、もう考える余裕もないほど 切迫した脳で。
「───…あいつの事、今でも 好きなのか…?」
「………ッ 知らない…っ」
「…でも お前、今までにないくらい 感じてる…、これって オレのせいだろ…?」
「…ッ うるさいっ」
「─────…なぁ、もう 入れてやろうか」
─────悔しい…!本当に悔しいっ。
「…もう ここ、凄いよ…?」
彼の視線を、モロに そこに感じる。…たまらない。逃げ出したい…!
「………なぁ、でもお前 初めてだったよな?この前」
「……………ッ、」
カッと 頭に血が昇る。目隠しされてる頬にも。
「…って事はさ、オレとあいつ、同時進行…?」
「─────…、」
「………オレとしてから あいつともした…?」
「…っんで そんな事ばっかり…ッ、じゃあ 累はどうなのよ…っ、」
「─────…なぁ、まさかだけど 今日、あいつとしたの…?」
「してない…ッ!バカぁ、」
「………瑞香、」
「何よ…っ…」
「…オレとしたい………?」
「─────…ッ…、」
「…したくない…?どっち…?」
あたしは どうしても答えたくなかった。ギリギリの限界を越していながらも、唇を噛み締め
続けた。
「─────…っう、や…ァ………、」
彼の中指が、もう どうしようもなく乱れ切ったそこに 差し入れられる。
それだけで 中は色めき立ち、これ以上ないほど ザワザワと沸き立った。肌が一気に 下肢
から 脳天へと引き絞られる。
ゾクリと走る快感に、もう 気を抜けば一気に それだけで昇天してしまいそうな意識。
浮遊しそうになる腰…!それを 懇親の力で引きとめる。
「………イかせてやろうか…」
ズルい。
何でそんなにも 優しくあたしを墜としめるんだろう。
自分一人、高みから見物するみたいに…っ。
中で動かされる指。
「アッ、ア、…ヤ、…ァあっ、」
咄嗟に口を もう片方の手で押さえられる。
そのまま指は あたしの内壁を甘美なやり方で ときめかせた。
累…累…っ。好きなの、どうしようもなく好き…っ、だけど 好きになりすぎて怖いよ、あたし
どこまで墜ちていってしまうんだろう。泥沼みたいな 終わりの無い想い。
あぁ、でも ダメ…っ、とっくに限界 越してるの…っ、あ、あっ、…やだ、イってしまう…っ!
「─────……、…。」
───…あっという間に 達して。
でもまた すぐに、快感はうねりをあげて 水かさを増してしまう。
何度も達しながら、墜ちる間も無く たちまち舞い上げられた。
「─────…っんっ、あぁっ、ア、…っる、累…、っヤ!ヤんっ!…ひゃ、ア…ッ!」
「───…すっごく可愛い…、」
あたしは 彼のささやきから逃れるように、幾度も かぶりを振った。
そうしながらも、巧みな彼の指先に、嵐の中を舞う木の葉のように 翻弄された。
もう、理性や羞恥心なんて、イかされるたびに どこかへ剥がされ、遠く吹き飛ばされた。
プライドも恐怖も 戸惑いも迷いも───…あのマネージャーの女の子の笑顔も。全部
あたしの脳裏から 飛んで消えた。
「アッ、…あ…ッ…、累…、累…っ、」
最奥が 引きちぎられそうなほど、のたうっていた。
ひきつり、痙攣しながら 濁流は熱く暴れ狂う。
「入れてよ…っ…、もうして、…ねェ…っ!累…っ…!」
あたしはいつの間に こんな風になっちゃったんだろう。
あたしもう、累なしじゃ 生きていけないんじゃないだろうか。
彼にしてもらわなきゃ、そこはもう どうしようもなく打ち震えていて…っ、どれだけ身悶え
ても、どうにもならなくて…っ。切ないほどに引き絞られ、暴れ狂う。
何て事。…自分で自分が 情けないほど嫌になる。
目隠しされて 手の自由を奪われて。…なのに開かされた脚の付け根からは さっきから
溢れてしまったものが伝い落ちてて。───…身体の芯は、これ以上ない程に 彼を
渇望していて───…!
すっごく 自分が淫らな人間に墜ちた気がした。
こんなんじゃなかった、たった数日前までの あたし…っ。
「あッ───…う、」
情けなさに 目頭が熱くなった。
だけど下肢は ビクビク震えてる。
「累………っ、お願い…、も、…っう…、」
彼は あたしの赤く色付いて立ち上がっている両の乳首を 指先で嬲りながら、「───…
オレが好き…?」 そう訊ねた。
あたしは何度も 首を縦に振った。…目隠しの下、涙が溢れてた。
そっと、彼は入ってくる。
「───…ッあ… !! …、」
あたしの口元を、彼の手が塞いだ。
そして一気に 最奥まで入れられた。
同時にあたしの腰は 大きく跳ね返り、ひときわ強い痺れを伴って 最奥から達した。
……………僅かの時間差を経て、たちまち包み込む 充実感。…肌は 一気に粟立つ。
「─────…ッン、…ンっ…、」
ビクビクと 肩も痙攣した。…それくらい 至極の瞬間だった。
その後は、切なくなるほどに 彼はあたしを掻き抱き、もつれあうように繋がったそこから 尚
一層 泣きたい気分にさせられるような 甘い感覚があたしを苛んだ。
「瑞香───…、…瑞香…、」
彼は繋がり、あたしの背をかき抱きながら、あたしの耳元に 名を流しこみ続けた。
その声も 何だか泣きたくなるような 切なくてかすれた声で。…そうしながら彼は あたしの
手首にあるネクタイをほどいた。
あたしの口元は ずっと、彼の手に覆われていた。
あまりの快感に、知らずあたしは 彼の手を噛んで声を殺した。
「─────…ッ………、───…ッん、…ンっ!…ン…っ、」
自由を得たあたしは すがるように、彼の背に手を回していた。
甘い激しさの中、あたしの身体は 更にかき回された。幾度ものけぞり、自由になった手で
彼に もっとすがった。
声を殺している分、余計に 肩に力が入った。
累の想いが、あたしの中に注ぎ込まれる。
「……………ッ !! …っ、」
────その瞬間、あたしも まぶたの裏に弾け散った白い閃光に 目を焼かれていた。

 「何で こんな事するの…」
ようやく取り外された 目隠しの向こう。…累の表情は、少し苦し気だった。
そりゃあたしが カイジと居たところを見て、ムカついたのは分かってる。…あたしだって、彼に
責められて当然だとも 自覚してる。
だけど─────…。
今、目の前にある累の 表情の意味が分からなかった。
彼は何だか、見た事もないような顔をしていた。
苛立ちの混ざったような、疲れたような。
何か 言いたい事を耐えているような………。
「累…、」
「分かんないよ」
「………えっ…」
「瑞香には 言っても分からないよ」
「───…何が…?」
「…オレの気持ち」
「 ?! 」

─────その日から、あたし達の関係は ぎこちなくなっちゃった…、まるで ケンカ中
みたいに。
また泣きそうになって、慌てて 散らかった衣服をひったくるように身に着けると、あたしは
これ以上ない程大きな音で 彼の部屋のドアを閉め、自室のベッドに突っ伏した。無性に
頭に血が昇って、自分が今 怒ってるのか 寂しいのか つらいのか 彼を責めたいのか…
自分に対して苛立ってるのか、もう何なのか 頭がぐちゃぐちゃで分からなくなってた。
累は 最後までこちらを見なかった。
弁解しにも 来なかった。
それは あたしを、余計に惨めにさせた。
★甘栗のちゃちゃ。
ちいちゃん:ハデだね〜っ、弟!見た目と違って!
ユキ:ダメだよね、お姉さんはもっと大切に扱わないと。
ちいちゃん:あッ!! そういえばお前も姉弟だったじゃん!
ユキ:だけどこーゆーイジワルはオレはできませんねえ。
ちいちゃん:いや、お前は女の奥の深さを解かってないよ。ホントはイヤだイヤだと言いつつ
   女の子はいじめて欲しいんだよ(笑)。ケケケ
ユキ:今思いっきり自分を正当化しませんでした?(呆れっ)
ちいちゃん:いいよ、所詮お前とはキャラが違うんだから!あーもうやりにくいなー、みずほは
   どこへ行ったんだよっ?! 次回へつづくじゃん〜。

「弟以上、恋人未満。」−4    Written by; Tamaco Akitsushima