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8 「死んでも愛してる。」−4
人差し指と中指で 左右に開くだけでも、中に放ったものは 多少出てくる。
その見下ろした光景は何とも言えず、喉の渇きにも似た渇望を 再び思い出させた。
「膝の力 抜けってば」
拒否するように ガチガチになっているから、それを緩めるために オレは首筋に大人っ
ぽいキスをした。わざと 性感に触れるところを舌先でなぞる。
「………っ、あっ………、」
杏も、随分と敏感になっているように思えた。
「…ちゃんと感じてくれてるんだ?」
ピクンと肩が跳ねるから、みぞおちを抱いていた手で 胸の輪郭もなぞった。 そのまま
柔らかなそこを堪能するように うっとりと揉みしだいて、耳たぶを甘く噛む。
瞬く間に 再び薄く汗を刷いて上気し始める さくら色の肌。
「やん…っ」
「めちゃくちゃ可愛い…気持ちいいの?」
もう 力を入れ続ける事が出来なくて、杏の膝が わずかに緩む。
つぷ、と 中指をそこへ挿しいれた。 ぬめり気を帯びたそこは 簡単にオレの指を受け
入れる。
「…ぁ…っ、」
戸惑いに 小さな声が漏れた。
けれどそれは ひどく湿り気を帯びた、別の意味の淡い声。男心を鷲掴みにする声だ。
「…ほら、すぐに入る」
「………ッ………、」
耳元でささやくと、杏は恥ずかしいのか 肩をすくめる。そうされると、中までもが同時に
締まった。
何だかそんな事までもが 愛しさを呼ぶ。 思わず漏れそうになる笑みを噛み殺して、
そのまま 出来るだけ優しく中をまさぐった。
もうほとんど、先ほどオレが放ったものは 体外に出ていた。
「杏、また感じてきた………?」
耳元に唇をつけたまま、問いかける。そしてそのまま 耳の中にも舌を挿れる。
おそらく ここが弱いのか、たちまち胸の頂にある薄紅色のそこは 硬さを帯びた。あまり
に素直で、オレは余計に嬉しくなる。
こんなにも初々しいセックスは 経験した事がない。 光源氏の気分が 少し分かった
気がした。
この 白い梅の蕾のような彼女を、真紅の薔薇にしてやる。
頭の隅で、密かに そう決める。
思い切りオレに溺れさせて、自分からねだってくるぐらいになるまで 教育してやる。
「─────…お前に、まだプレゼントしてないままの靴が置いてあるんだ………」
あの高いヒールが似合うような、セクシーな女に変えてやるよ。
そんな思いを秘めながら、敏感になっている箇所を さらに指で刺激した。
「ずっと渡せなくて。でもやっと、今なら渡せる…。後で、あの靴を履いてみせてよ…」
オレの右手は 今も、杏の下肢の付け根に。
左手は、彼女の左側の胸に。
…白いふくらみを僅かに持ち上げて、その先端を 指先でからかうように摘んだ。
杏は 嫌がるように身を捩る。
「まだ恥ずかしいの?」
余計に顔を背けられる。
首までもが真っ赤に染まっていて、可哀想に思えるほどだ。
でも 今からもっと追い詰めてやる。まだ何も始まっちゃいない。
「………でも 気持ちいいんだろ…?杏。…もっとよくしてやるよ…」
反対側の頂もまさぐると、彼女の半ば開かれた唇から 甘く細い声が途切れ途切れ
に漏れ始める。
吐息にも近い 喘ぎ声が。
「ヒロくん…、こ…んなのイヤ………、」
「こんなのって…?」
膣に差し込んでいた中指を引き抜いて、ギリギリのところで またゆっくりと挿入した。
それを幾度か繰り返し、根元まで入れると、中で少し曲げて 内壁を探る。
「い、…や…、」
一気に ゾクリと粟立つ肌。 背中を抱いているオレにまで それが伝染し、 たまらない
ような欲望が 身体の中心の一点めがけて引き絞られる。
首を弱々しく左右に振り、やめてとこちらを流し見てくる 切ない瞳。
それは 余計にいじめたくなってしまうような愛しいカオだ。 男の中に潜む何かを刺激
する。
「もう 嫌じゃないだろ…?だって嫌だったら こんなになるかよ」
「…ぁ、んっ………、あっ…あ…、」
「…ホントに嫌なら そんな声出すな。…感じてるようにしか聞こえねーよ…」
つい こんなイジワルを言いたくなる。だって 子ウサギみたいに可愛すぎるから。
「でも嫌なの…、…ひゃ、っ!…ぅ…、」
ますます 杏の下肢にあるオレの中指は締め付けられた。その上、内壁のある位置を
オレの指が掠めると、彼女はビクンと のけ反る。 おそらく、ここが最も感じる箇所なの
かも知れない。
「………ここ、いいの………?」
耳元に低くささやきながら、指の先で そこを確かめるように擦った。
「い、やぁ…ッ!」
「───…ここが 杏のすごく感じるところ?」
苦しそうに首を横に振り続ける追い詰められた肢体は、どう見ても よがっているように
しか見えない。
「ちが…、」
「嘘つき…いいんだろ…な…?」
大きく喉を逸らして、息も絶え絶えに眉根を寄せている 表情。きつく閉じられたまぶ
た。
上気してピンクに染まった頬は まだ幼さを残していて、なのに 妖艶なきらめきが その
下から顔を覗かせ始めていて。
「ちゃんと いいって言えよ…、言えるよな…?」
理性と情熱の狭間で戸惑いに揺れながらも 次第に官能の波に負けて飲まれていく
様を見つめるのは、 例えようのない至福だった。 まるで、これ以上ないほど極上の
ワインのコルクを引き抜く瞬間のように、─────…いや それよりも遥かに刺激
的だ。
「─────…あ…ッ、ん…も、…やめて…、」
杏の背中も腰も、どんどんオレのほうへと 重く沈みつつあった。
もう 身体に力が入ってくれなくて、今はもう この腕の中からすり抜けることさえ難しい
と思う。
長く白い腕が しなっている。
額には汗が浮いている。呼吸は乱れ切っている。
───── でも もう杏は、初めての時のように深刻な呼吸困難になる気配は な
かった。
「すっごく可愛い…杏…、もう挿れる?」
「─────…イヤ…、」
「でももう お前、発作出ないじゃん」
「……………っ…、」
杏が 視線だけをこちらに向けてくる。
「…きっと、このまま もう発作は出ないよ…、そう思う」
中の ひどく敏感なそこを 指で幾度か上下してやると、こちらを流し見ていた視線が
熱に浮かされたように細められた。内壁もギュッと にわかに締めて来る。 もう かなり
ギリギリで ─── 指が痛いほど。
その官能的に上気したカオだけで、残虐なほどの征服欲が 一直線に研ぎ澄まされ
る。
「─────…聖人にも、指 入れられた事ある…?」
羞恥に耐えている表情は、僅かに 首を横に振った。
「ホントに…? ───…じゃあ あいつは、 杏が ここに触れただけで こんなにエロく
なっちゃうって知らないんだ…」
知らず、微笑んでしまってた。
「も…言わないで…っ、お願い…っ、───…ア、んっ…、」
指だけでイかせてやろうと、 オレは 巧みにその一点ばかりを責め続けた。 ある程度
高ぶらせたら指を引き抜いて、すんでのところで また差し入れる。
「い、嫌ぁっ、嫌、ヒロくん…っ、」
そこばかりを意識させるために じれったいほどゆっくりと抜き差しを繰り返し、 刺激が
足りなくなった頃を見計らって また一番欲しい箇所に触れてやる。
杏の声は すでに切迫してきていて、余裕なんてもう どこにも見当たらない。
「やっ、…やぁ、…あぁ、あん…っ」
「………すげ、エロいカオ…、───…また ここ濡れてきてるよ………分かる?」
泣きたいような視線は、「もう そんな事言わないで…」 と何度も訴えてきた。
「でもお前、さっきした時も ちゃんと濡れてたよ。…オレ めちゃくちゃ嬉しかったよ」
「や…だ、やめて…っ、」
息も絶え絶えの懇願だ。
もう 相当苦しいんだと思う、こんなにジラされちゃ。
だから 頃合いを見計らったオレは、呪文をかけるように 低く告げる。
「お前、きっと ホントに好きな相手となら出来るんじゃない…?発作も出なくてさ…。」
そんな 暗示めいた高飛車なセリフを耳の奥まで流し込みながら、胸もまさぐる。
「この仮説、正しいかどうか そろそろ実験してみよっか」
見下ろした先の胸も もう完全に充血していて、からかうように指でかすめるたびに 杏
の眉間は より一層切なく寄せられる。
「ヒロく…、」
時折 強く摘むと、ビクンと腰が反る。
「ホラ、だってここも さっきからこんなになってる………」
もう息の上がっている杏の身体を そのままシーツに落として、横から覆いかぶさるように
口唇付けをした。
そのまま 首筋、喉を上から舌でなぞって、胸にも唇を落とす。
もう これ以上ないほどに主張していたそこは 舌でなぞると余計に粟立ち、オレの舌に
硬く当たった。
何度も 彼女の額の髪を指先で梳くように撫でながら、オレは 悪魔のようにささやいて
やった。
「反対側は 自分でしてごらん」
杏の腕を取り、 空いたほうの胸の上に持ってくる。 上からオレの手を重ねて、無理
矢理 愛撫させる。
「痛いぐらい立ってる…自分で もっと気持ちよくしてみろよ… いつも どんな風にしてる
のか してみせて」
「そんなの…っ した事ない…っ、」
今にも泣き出しそうな か細い声。 ちょっといじめてるだけなのに 生真面目に答えて
くるから 余計に微笑みを深くせずにはいられなくなる。
「じゃあ 今して…見ててやるから」
そう告げながら、オレは もう片方の乳首に歯を立てた。
「あぁ…っ」
歯の先に当たるその感触を、 何度も 下から上へと舐め上げる。 それから 少し強く
吸って、また甘噛みして。そのたび 杏の喉元が快感に震えるのを眺めた。
─── 彼女の下肢は、もう 新たに溢れ出した熱いもので どうしようもないほどに
濡れていた。
オレの言いつけを 守らないといけないと思っているのか、言われた通りに 彼女の細い
指先は 自らのもう片方の胸の先、小さく主張する赤い突起を 転がしている。ひどく
戸惑いながら。
さくら貝のような無垢な爪や 綺麗な形をした指先が、 妙に 情事とは不似合いな
印象で、余計に淫らだ。
「ヒロ、くん…、」
「そう、ちゃんとして…こっちの胸も自分でして…」
オレは命令して、杏の乳首から唇を離すと 身体を起こした。
「………いい子だ、…杏、オレのも気持ちよくしてよ…」
今度は 彼女の肩を抱きかかえて掬うと、膝立てたオレの下肢へと導く。
「─────…オレのも 舌で濡らして。…出来る?」
もしも嫌がったら さすがにやめてやろうと思ってた。
けれど杏は 意外にも、大人しく言う事に従う。
赤い舌が 迷いながらも薄く開かれた唇から僅かに覗いて。…それが震えながら オレ
の先端に 1mm触れてくる。
「………っ、」
実は それだけでイきそうになった。眼下に繰り広げられる光景が、余りにも淫靡で。
そんな自分に ギリギリのところで思い切りブレーキを掛け、抑制する。
あまりにも色っぽすぎて、なのに たどたどしくて。
熱に浮かされたような艶めいたカオして、そのくせ ひどく恥ずかしがりながらも 先端を
舌先で舐めてこられる。
その絵だけで、かなりヤバかった。 ───── その行為をしてくれているのが、他
ならぬ 杏だというだけで。
こめかみ辺りの髪にも指を入れてやり、ねぎらうように そっと撫でた。
「もうちょっと 奥まで挿れて………。そこ舐めて…そう、…上手だ…」
全然稚拙で ホントは上手いどころか逆だったけれど、 今 オレに触れている 湿った
ザラつきが杏の舌なのだと思うだけで、これ以上ないほどの至福が ハートに押し寄せ
てくる。
………好きだよ、………好きだよ 杏。
伏せられている長いまつげは 時折震えている。
懸命に言われた通り、横たわった体勢で肩だけをこちらへ起こし、そこに舌を絡めて
くる 愛しい女の子。
オレも、杏の腰骨や太腿に屈みこんで キスをした。 それから そのまま身体を伸ばし、
先ほどから指を挿れて慣らしてある 彼女の下肢へ。可哀想なほどに 高ぶったまま、
頂点に達する直前で足止めしてある そこ。脚を開かせて その中心にもキスをする。
お返しのように。
「アッ…!…あぁ…っ、い、やぁっ!」
途端に弾かれる 声。
けれど、オレは やめてやらない。指を引き抜くと 立てられたままの膝頭を上から押さ
えつけ、 そこを強引に 思い切り押し開いて。 緩んだ入り口に 舌先を押し込むと、
しばらくの間 上下になぞる。
「嫌っ、やめ…、あ、あぁん…っ!」
…その後、女が最も感じるところに 舌先を移動した。ピンク色したそこは より一層
充血している。痛々しいほどに。
杏の喘ぎ声は ひときわ切迫し、彼女は 先ほどまでとは比べ物にならないほど 声を
上げた。
「杏、…すっげ いやらしいよ…、ここも、こんなに硬くなってる…、」
「嫌ぁ !! 嫌、ヒロくん、アッ…、ぁ、あ、」
どこをどんな風に舐めれば 女が達するかなんて、嫌というほど分かってる。ましてや、
まだ何も知らない未熟な杏を 意のままに追い詰めるのなんて いとも簡単な事だ。
あまりにも感じすぎて 痙攣しながら収縮を繰り返している 杏の内壁。
今すぐ繋がってもよかったけれど、取り合えずは 先にイかせてやる事にした。
唇でそこを含み、舌先で ほんのソフトになぞってやる。その後 少し吸えば、予想通り
の結果。彼女は敢え無く オレの手管に落ちてしまう。
「…ハァッ…、ぅん…っ、───…ハァ…、」
もう 視点の定まっていない、杏の瞳。
僅かにそれは開いていて、朦朧と 空中を見つめていた。
「 杏…、」
愛しすぎて マジでヤバい。 …何で こんなにもオレの心を惹き付けてしまうんだろう、
彼女は。
好きになりすぎて、もっと 酷い事を強要してしまいそうだ。
…もっと泣かせたい。もっと泣かせて、嫌だと首を横に振るのを 無理に懐柔して。
ジラして、ジラしまくって、恥ずかしい事いっぱいさせたい。
─── そんな どうしようもない男の願望が オレの頭の中を駆け巡ってしまうほど、
彼女は清らかだ。………脚の付け根に残された 戒めの黒い傷跡が不釣合いすぎ
て 淫らに見えるほど。
「好きだよ…」
オレは再び 彼女の上半身を抱き上げると脇を抱え上げ、大きな人形を抱き締める
ようにして オレの胸の中に降ろした。達した直後の彼女は もう腰に力が入らなくて、
自ら動けるほどの力も残ってない。だからやむなく オレの胸にしなだれる格好になり、
肩口に頬を乗せた体勢で 大きく肩で息をしていた。
汗を刷いた髪。呼吸に動く 肩甲骨。
見下ろした先の、こんな グッタリとしている杏も ひどく可愛い。可愛すぎる。
だから もっとめちゃくちゃに乱してやりたくて たまらなくなって、本気で困った。
「すっげ…、お前 すげー可愛いよ…」
顔を上げさせ、重たそうなまぶたを間近で見下ろしながら 深く口唇付けた。
「───…最初に教えたみたいにして?…舌出してごらん…」
命令すれば、無言のままに大人しく従う。僅かに開かれたピンクの唇から覗く 赤い
舌先は、たまらなくエロティックだ。
「そう、………上手くなった」
舌根を強く吸いながら、彼女の未発達な胸を 再び揉みしだく。
親指の腹で触れれば たちまちそこは色めきたつ。
「───…ホント やらしーな、お前…でも もっともっと いやらしくなって…」
「………っ…」
立ち上がっている赤いそこを 愛しさを込めて摘むと、杏は耐え切れないような 切ない
表情で目を伏せたまま、凍えるような声でつぶやいた。
「………ヒロくん、嫌いにならない…?」
「 え?」
よく聞き取れなくて、耳を そばだてる。
「─────…あたしの事、嫌いになってない…?」
まだ伏せ目がちの目は、不安と怯えを乗せて 震えている。
思わず 微笑みが漏れてしまった。
「…なんで。嫌いになんかなるかよ」
「ホント………?」
「ああ。………何でそんな事訊くの。…オレの事が信じられない?」
「だって…っ、─────…あたし、」
「 うん?」
「こんなになっちゃうなんて…淫乱じゃない…?」
淫乱 ?!
「お前が……… ?!」
余りに 杏には不似合いな単語を口にされて、オレは瞬きをした。
この時のオレは、なぜ杏が こんなにも深刻な表情で可笑しな質問をするのか、全く
意味が分からなかった。
だから、情欲に油を注ぐような言葉だけを 少し冷たく言い放つ。
「………ああ、淫乱かもな。…でもそれ言うなら オレだって、どうしようもないほどの
淫乱かも?」
「…ッ、」
息を飲んでいる瞳に向かって、 少し微笑んでやる。 もしかしたら 少し冷たく見えた
かも知れない。
「…って事は、お互い様で ちょうどいいんじゃないの?………な。」
「そんな…、」
「…乱れてる時のお前のカオは サイコーだよ、もっとよがって って思うほどだよ。…お前
の全てが好き…脚の傷も好き…。」
「そんな…っ、嘘、」
「嘘なんかじゃねーよ。─────…もっと感じさせてやりたい。お前の事、オレなし
じゃ生きられないぐらい 夢中にさせたい。 …今にそうしてやるよ、誰よりもセクシーで
オレ好みの大人の女にしてやる」
言葉を失くしてしまった彼女。 予想通りすぎて、 その見開いた瞳に 苦笑するしか
ない。
「…なぁ、今度はオレの事、もっと気持ちよくして?」
オレのペースに飲まれたまま、杏は 恐ろしいほどオレに従った。
「────────…、ど…うすれば………」
「じゃあ、こっち来て。オレの首に腕回して…」
「ヒロくん…、」
座っているオレ。向かい合い、彼女がオレを跨いで 抱きつくような格好になる。
「………自分で入れて………。できる…?まだ慣れてないから無理かな」
「……………………、」
「───…そう、そのまま来て」
「 怖い…、」
「大丈夫、それだけ濡らしてたら 痛くないよ」
「……………ッ…、」
杏は にわかに泣きそうな顔を見せる。
オレは腰を引き寄せて、挿入しやすいような角度にしてやった。
頬にキスをする。
「 あっ…、」
恥らい、うつむく彼女の顎をさらい、噛み付くように 激しく口唇付けた。
そこから再びオレ達は、たとえようもない別世界へと扉を開ける。
「あっ…ア…、───…あ、ンっ…、」
雪崩のように、一気に 甘美な谷底へと落ちる オレ達2人。
腕の中で狂おしく身悶える彼女は 最高で、オレが今までに見たこともない彼女で。
そんな目の前の杏と今、こうして繋がってるって事が オレの脳天をブチ抜くほどの幸せ
だと、そう 心の底から思う。
「─────…自分で感じるところを してみろよ………」
目尻に涙を浮かべながら、まるで夢の狭間に居るように うっとりと目を細める長い髪。
「さっき教えただろ…、自分で動いてみろよ…」
どこまでオレの声は届いているのか。けれど彼女は どこまでも素直で従順だ。 正直、
今日までセックスを知らなかったとは思えないほどに。
「……………杏………、お前すっげ、いやらしいな………ホントに淫乱かもな」
ひどく感じる耳にも 舌で刺激をあげながら、ワザと焚き付けるようにイジワルな言葉を
注いだ。もちろん 本気じゃない、ただの遊戯だ。
「─────…お前が こんなやらしいなんて知らなかったよ………、サイコー」
笑みが漏れてしまう。
愛しすぎて。オレのために こんなにも乱れてくれるのが 嬉しすぎて。
けれど杏の表情は にわかに苦しげに歪められる。
「………そゆ事…、言わないで…、あっ…、ア、…あぁ、」
「…なんで、─────…だって こんなにしといて………」
繋がった箇所のすぐ上辺りにも 指を這わせてやる。
「ここも…されるの好き…?」
「嫌…っ、イヤ…ぁ」
「ヤじゃねーじゃん、………感じるって言えよ…」
「…ダメ…、あっ…あ、…ぅ…、」
「ここだろ?…もっとしてって言って…。言えるよな?…言えよ、オレのために」
オレはそのまま仰向けになり、背中からベッドに沈む。 そのせいで 彼女はバランスを
崩し、シーツに手を突く。
オレは両手で まだ少女っぽさを残す細い腰を押さえ、思い切り意のままに懐柔して
やった。これ以上ないほど 最奥まで繋がる。 逃れようとするのを 力ずくで引き戻し、
どうしようもないほど杏が感じる箇所ばかりを 責め立てる。
「嫌、嫌ぁ… !!」
オレも とんでもなく引き絞られて、今にも達する寸前だった。
「…すっげ…、お前の恥ずかしいところ 全部見えてるよ…」
「あっ、…ん、あ、ア、…嫌っ…、見ないで…」
「お前が感じるところ、自分でしてみろよ………もっと気持ちよくしてみろよ」
「嫌ぁ… !!」
───── 多分、彼女は 何度も達していた。
けれど もっと踏み込んでやりたい。何も考えられなくなるほどにして、最後には この
可憐な唇から 「もっと」 って ねだるような言葉を言わせてやりたい。
「あ…、もう許して…っ、」
「まだだ」
前触れもなく 彼女の足首を掴み、下側から起き上がると 今度は組み敷く。
反転するような形で 今度はオレが上になる。主導権を握り、身悶える彼女の 四肢
の隅々までをコントロールする。
「あぁっ…、あ…、ア、ア、───…や、っ…ぁ!」
「…杏、…好きだよ…」
もう どこが感じるのか、どこを刺激すれば彼女を狂わせられるのか、誰も踏み込んだ
事のない迷宮の地図を オレは手に入れたも同然だった。
杏は 余裕などとっくになくしていて、多分 上下も左右も分からないほどに混乱しな
がら 快感の嵐に溺れてしまっている。
竜巻のような上昇気流に揉まれながら、何度も愛を込めて その名を呼んだ。
「杏、…好き…大好き…」
「い、や…」
「嫌じゃなくて、いいって言えよ…、そしたら もう一度イかせてやる」
「………ダメ…ッ、…あ…ッ、あ!…やぁっ…、」
「ここでやめるのか?」
「嫌ぁっ、…やめないで…、」
「─────…そう、いい子だな、ちゃんと言えるだろ?…ここ、感じるんだよな?」
「…か、感じる…、…っ、」
「 ここも?」
杏は赤い頬のまま うなずく。
律動を速くしながら、同時に 下肢の手前のひどく敏感な箇所も指でいじった。
「…ここ されるの好き?…嬉しい?」
「うん…っ、………嬉しい…、」
「またイきそ?」
「…イきそう…っ、あっ、イっちゃうっ…、」
「─────…杏、オレの事 好きか?」
「好き…っ、…あぁ、ヒロく、…ん、───…アッ…、あ、んっ…」
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